校長先生のお話
牛のように歩もう
2009-01-01
希望に満ちた2009年を迎えました。今年は「丑年」です。届いた年賀状には、さまざまな牛が描かれていました。力強そうな牛、穏やかさを感じさせる牛、のどかに草を食む牛などさまざまな牛でしたが、それらの牛を眺めていたら、ある詩が心に浮かんできました。高村光太郎の「牛」です。
牛はのろのろと歩く
牛は野でも山でも道でも川でも
自分の行きたいところへは
まっすぐに行く
牛はただでは飛ばない、ただでは躍らない
がちり、がちりと
牛は砂を掘り土を掘り石をはねとばし
やっぱり牛はのろのろと歩く
牛は急ぐことをしない
牛は力一ぱいに地面を頼って行く
自分を載せている自然の力を信じきって行く
ひと足、ひと足、牛は自分の道を味はって行く
がちり、がちりと自然に突っ込み食い込んで
遅れても、先になっても
自分の道を自分で行く
遅れても、先になっても
自分の道を自分で行く
牛はのろのろと歩く
牛は大地をふみしめて歩く
牛は平凡な大地を歩く
牛は大地をふみしめて歩く
牛は平凡な大地を歩く
あわただしく過ぎて行く毎日の生活の中で、私はこの牛のように一歩一歩と大地をふみしめて歩みたいと思います。がちり、がちりと自分の道を味わいながら。当たり前に思えることでいっぱいの平凡な毎日を、味わい、さまざまなことに気づきながら。
校長 朝廣絹子