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校長先生のお話

三学期終業式 式辞
2024-03-21
 本年度は、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、通常の教育活動が可能となりました。それに伴い、先日、表彰伝達しましたように、多くの人が各分野で活躍し、優秀な賞を大変多く受賞してくれました。皆さんの活躍は、大きな喜びであり大変頼もしく感じました。さて、今回の校長賞は、生徒の皆さん全員に贈ります。代表して、永戸もも前生徒会長壇上に上がってください。

(賞状伝達)

 この一年間は、一堂に会しての始業式・終業式等や生徒集会、伝統的行事である記念祭バザー・ハレルヤコーラス等が本来の形で実施できました。とりわけ、記念祭バザーは、コロナ禍前の来場者数を大幅に上回る2671名にご来場頂き大盛況でした。また、生徒会総会・予餞会も四年ぶりに制限なく実施することが出来ました。従来の形が可能とはいえ、皆さんにとって、初めてということも多くあったことと思います。一から挑戦しながら作り上げなければならなかったことも多くあったことでしょう。それだけに、生徒会執行部の皆さんが、新たな生徒会活動の在り方を示してくれた功績は多大であるということは、いうまでもなく、それを支え、共に行動した生徒皆さんが、本年度の目標であった「共感」する力を発揮し、ほかの人の思いを慮り、全面的に協力してくれたからこそ、各行事等を成功裏に終えることが出来ました。こうした意味合いから、全員に向けての賞と致しました。皆さん、本当にありがとう。

 なお、皆さんの活動の成果の一つとして、生徒総会で議論した髪型やスラックス導入について、後ほど池田生徒指導部長よりお話があります。今後、佃和佳奈会長を中心とする新執行部は、旧執行部の活動を参考に、新たなる挑戦をしながら素晴らしい活動をしてくれるものと確信しています。そして、それを支える皆さんの活躍を期待しています。

 さて、本年度は、先程も申しましたように、通常の教育活動復活の1年となりました。修学旅行は国内・国外の選択制の実施と致しましたが、久々の海外修学旅行となりました。運動会、記念祭バザー、ハレルヤコーラスとクリスマス会等を従来の形で開催することが可能となった1年でした。さらに、現在、ニュージーランドへの短期留学に参加している人がいますが、こうした海外への短期留学も再開できた年でもありました。本日も、このように全学年一堂に会しての終業式を迎え、学年代表の皆さんに修了証書を渡すことができました。とても嬉しく思います。

 1万5000人以上の命を奪った東日本大震災から13年、1月1日に襲った能登半島地震から間もなく3か月を迎えようとしていますが、241名のかけがえのない尊い命が奪われるとともに、自宅や学び舎を失い避難生活を余儀なくされている生徒も多くいます。また、ロシアのウクライナ侵攻・パレスチナガザ地区を巡る紛争でも多くの命が奪われ続けています。命と平和の大切さについて学び続けながら積極的に関与していくことが求められます。それとともに、従来の学びが可能となった今、学び舎があり、クラスメートや部活動の仲間がいることに感謝しつつ、決意新たに、自分の夢の実現に向けて、成長を実感できる年にしてください。その際、本校で学ぶ皆さんですので、「思いやり(恕)」の教えでもある「人にしてもらいたいと思うことを、人にもしなさい。」(ルカ6章31)という聖書の言葉を大切にしながら成長してくれるものと信じています。 

 5年生の皆さんは、春の特別カリキュラムが始まります。ある塾が、第一志望校に合格した大学生を対象に調査した結果、「受験時に『3年生0学期』を意識して受験勉強を開始したか」という質問に関して、「はい」と回答した人が64.2%、1日の学習時間についての質問では、3~4時間と答えた人が最多で40%であったとの報告がされています。皆さんは、間もなく「3年生0学期」を終え、いよいよ自分の夢へ向けての高校生活最終ステージを迎えます。このアンケートの結果も参考にしながら、この最終ステージの過ごし方や学習時間等について検討してみてください。日々の積み重ねがとても重要ですが、「挑戦」という二文字も忘れずに、目標へ向かってやり抜く1年として下さい。できると思ってもできないことがあります。でも、できないと思っていたら、いつまでもできません。とにかく、挑戦してみる・やってみるという姿勢がとても大事です。そして、今という時間を大切にしながら、悔いのないように一日一日を過ごしてください。一年後の皆さんの笑顔を楽しみにしています。 来年度は、徳永新校長・白水新教頭というフレッシュな体制で皆さんをサポートして下さいます。私も、皆さんの成長を楽しみにしています。

 最後に、命・平和とともに皆さんに考えてほしい課題として、私たちの住む地球の環境問題があります。私たちを取り巻く社会は、豊かさや利便性等を追求し発展してきていますが、一方で地球環境が破壊され、地球温暖化が原因とみられる気象現象等も生じてきています。こうした状況を危惧され、脚本家倉本聰氏が昨年の「G7札幌気候・エネルギー・環境大臣会合」の際に出されたメッセージを紹介して式辞と致します。

  あなたは文明に麻痺していませんか  石油と水は どっちが大事ですか
  車と足は どっちが大事ですか    知識と知恵は どっちが大事ですか
  理屈と行動は どっちが大事ですか  批評と創造は どっちが大事ですか
  あなたは本質を忘れていませんか

福山暁の星女子中学・高等学校 校長 小野田文明
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