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校長先生のお話

二学期始業式 式辞
2022-08-25
 今年の夏も、新型コロナウイルス感染症の猛威にさらされ、福山市においても、これまでを大幅に上回る1400人以上の感染者数が公表された日もありました。昨日も、1239人であり、まだまだ予断を許さない状況と言えます。本校でも、8月に入り20名近い陽性報告を受けています。いつ誰が感染してもおかしくない状況の中での、二学期のスタートとなりました。感染症対策の原則を守り、三密回避・人との距離1m以上の確保等、うつらない・うつさない行動を厳守してください。ハグ等他の人と接触する行動は絶対に回避してください。
 こうした厳しい状況の中でも、先程、賞状伝達いたしましたように、中国・全国大会等に出場し活躍してくれたこと、さらには、各種ボランティアやコンクール等に参加してくれたこと、学校からの依頼を受け商業施設で演奏を披露してくれた室内管弦楽の皆さんの活動等に大変感謝するとともに嬉しく思います。大きな経験を積むことで成長を遂げているものと思います。22日に幕を閉じた全国高校野球選手権では、山口県代表の下関国際高等学校が快進撃を遂げ、見事準優勝に輝きました。同校の坂原監督は、17年前、わずか11人の野球部員の監督となり、初勝利まで3年かかった当時を回想し「ひとつ勝つことが凄く難しかったです。最も苦しかったのはそこですね」と語られています。その指導の原点になる言葉が現広島国際高等学校時代の恩師から教えられた「雑草のように強くなりなさい」でした。踏まれても踏まれても逞しく生きる雑草のように最後まで諦めない姿勢が実を結んだものと言えます。私自身も、20代半ばの教師時代、当時の生徒たちによく伝えていた俳句「タンポポや幾日踏まれて今日の花」という句が鮮明に思い起こされる出来事でした。
 さて、6年生の皆さん、本年1月に経団連がまとめた調査結果によると、企業が大卒者を採用する際、「期待する資質」として約8割の企業が「主体性」「チームワーク・リーダーシップ・協調性」をあげるとともに、「学び続ける力」をあげた企業が4割近くに上ったことが特徴的であったとのことです。また、期待する能力としては「課題設定・解決能力 80.1%」「論理的思考力72.1%」「(物事を作り出す)創造力 42.1%」が上位になっています。
 現在、各大学でも、総合型選抜・学校推薦型選抜・一般選抜の三方式に基づき、多岐にわたる入試方法を設定し、こうした人材を求めているといえます。
 もう間もなく、始まる大学入試に向けて、当然、志望大学とともにどの型の入試で受験するのか等ほぼ固めている時期だと思います。引き続き、今という一瞬一瞬を大切にしながら最後まで諦めずやり抜いてください。「而今」と「Grit」がキーワードです。応援しています。
 さて、1年~5年の皆さん、二学期は、記念祭バザーや5年生の修学旅行をはじめ、多くの行事が計画されています。本校としても、感染症対策に万全を期しながら、各行事を実施していく予定です。こうした体験的な行事や活動を通して、一段と成長してくれるものと期待しています。
 また、大学入試の昨年度の結果を踏まえると、多くの私立大学が合格者の6割を12月までに決定しています。すなわち、総合型選抜・学校推薦型選抜という入試システムで合格者を決定しています。この二つの入試では、「総合的な探究の時間」の学びが重要視されています。その中で、「何をどのように学び」「何ができるようになったか」が問われるケースも増えています。企業が求める「課題設定・解決能力」につながる能力が身についているかどうかがポイントになります。こうした動向も踏まえながら、先生方も指導してくださいますが、自分で何ができるのか考えながら主体的に日々の学習を積み重ねてください。
 また、先ほど紹介したように、今の時代「学び続ける力」が重要視されてきています。本校では、Growthと言っている力です。Grit(やり抜く力)とともに、この二学期、この二つの力を意識して学習や学校生活を送ってください。皆さんの成長には、欠かせない力であるとともに、こうした力を企業等も求めていることからも、皆さんの将来につながる力となることは間違いありません。

 最後に、坂村真民さんの「タンポポ魂」という詩を紹介して式辞と致します。

 踏みにじられても
 食いちぎられても
 死にもしない
 枯れもしない
 その根強さ
 そしてつねに
 太陽に向かって咲く
 その明るさ
 わたしはそれを
 わたしの魂とする

校長 小野田 文明
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