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校長先生のお話

一学期始業式 式辞
2023-04-05
 皆さん、おはようございます。例年より早い桜の開花となりましたが、春の日差しに包まれる中、新年度を迎えました。新たなクラスでの出発、ワクワク・ドキドキしていることと思います。本年度は、4年ぶりに、この場へ生徒の皆さんが一堂に会してのスタートとなりました。皆さん一人ひとりの顔が確認でき、大過なく元気に登校してくれた姿に感謝するとともに一入大きな喜びに浸っています。

 この休みの期間中も、多くの人が活躍してくれましたので、その一端を紹介しておきます。東日本大震災復興支援ボランティアに参加した6年大谷華さん、末丸桃香さん、藤岡真優さん、5年岸本ひかりさん、ベレス・アケミさん、県内高校生12人に選出され、G7広島サミットジュニア会議に参加した6年羽賀帆乃佳さん、中国地区の陸上競技強化選手として合宿に参加した6年杉原瑞穂さん(6年福江愛佳さんも強化選手に選出)をはじめ、部活動に真剣に取り組んでいる人や運動会実行委員としての活動に参加している人等の活躍や動向に接し、確かな成長ぶりが伺え、とても嬉しく思います。

 この学年末・学年始の休み中実施されたWBC決勝において、日本はアメリカに、3対2で勝利し、見事優勝を遂げました。国内を感動の渦に巻き込み、私たちに大きな希望と勇気を与えてくれたことはいうまでもありません。その中でも、最優秀選手賞に輝いた大谷選手の「日本を代表するような投手が一つにまとまってくれた。誰一人文句も言わず、一丸となって自分のできる事に最善を尽くしてもらえたので、感謝しかない。」という言葉からは、実力もさることながらチームワークが齎した勝利であることが伺え、1人ひとりが最善を尽くすことの重要性を改めて教えてくれています。さらには、大リーグのスターが居並ぶアメリカとの決勝を前に、「憧れるのをやめましょう。憧れてしまっては超えられない。僕らは超えるために、トップになるために来たのだ。憧れを捨てて、勝つことだけを考えていきましょう。」と選手を鼓舞した言葉は大きく報道されました。また、監督の栗山監督は、特任教授を務める札幌市内の大学の入学式で「WBCで活躍した一流の選手たちも人知れず努力を重ねてあの舞台に立っていました。皆さんも最後まで自分を信じ挑戦し続けてください。」と新入生を激励されました。憧れを持つような相手でも萎縮せず向かっていく強い姿勢、一流であっても努力を惜しまず挑戦し続ける姿勢、いずれも私たちに大きな示唆を与えています。私たちも、見習っていきましょう。

 さて、新型コロナウィルス感染症は、感染法上5月8日から季節性インフルエンザと同等の5類へ移行されることとなっています。現在は、マスクの制限等も緩和されてはいますが、昨日、県内では391名の感染が確認されています。したがって、新しい生活様式に基づく、三密の回避や手洗いの励行、そして、極力、大声での会話等は避け飛沫を飛ばさない工夫等感染症対策に心がけながら学校生活を送りましょう。
 6年生の皆さんは、高校生活での最終コーナーに差し掛かり、夢の実現へ向けてのラストスパートの時機到来でもあります。とりわけ、私立大学では、12月までに実施される総合型選抜・学校推薦型選抜で定員の約6割の合格者を決定する大学が多くを占めるようになりました。また、国公立大学でも、一定の学力を担保した上で、調査書等の出願書類に加えて、小論文や面接、プレゼンテーショ ンなど多様な評価方法を活用し、学力試験以外の要素を加味した総合型選抜・学校推薦型選抜などの入学者選抜が加速・拡大しています。また、共通テストや一般入試においては、英語のリスニング、すなわち「聞く」力をつけることがより重視されるようになるとともに、各資格・英語検定における民間試験でCEFR基準のB1以上であれば優位に働くケースも増えつつあります。さらに、東京外国語大学が共通テスト数学2科目受験に変更したり、私立大学の経済学部等で、新たに「数学」を入試に課したりする大学も増加傾向にあります。 これからの大学入試では、このように探究力・国際力・理系力を求める傾向も顕著になってきていますので、6年生のみならず、大学進学を視野に入れている2年~5年の皆さんも、目標とする大学の入試情報を十分に注視しながら学びを進めていくことが求められます。
 こうした新たな入試動向を踏まえ、「オンライン」での外国の生徒等との交流や授業、GU・WEの授業等に積極的に臨み力を向上させてください。また、5年生は「公共」という新たな教科が加わるとともに、探究型の教科も増えてきますので、皆さんの学年から開始される新たな大学入試に対応する力を身に付けてださい。この場にいる生徒の皆さんが、国や県が進める青少年活動やSDGsに係る活動、そして、各種ボランティア活動等へ主体的積極的に参加することは、これから求められている力を付ける上でとても有効です。果敢にチャレンジしてください。

 本年度も、今求められている学力をつけ、予測困難な時代を生きぬくために、引き続き、三つの力(EGGの力)を大切にしていきましょう。
   ● Empathy(共感する力) 
   ● Grit(やり抜く力) 
   ● Growth(学び続ける力)

 さて、本年度の本校教育目標は、昨年度までの「命・恕(思いやり)・感謝の心を育む」を継続するとともに、新たに「共感」を加えました。EGGの力の一つであるEmpathyです。苦しんでいる人がいたら、その人の立場に自分の身を置いて、痛みや苦しみ・気持ちを理解し分かち合える(共有できる)能力です。詳細は、後ほど、ポワーポイントで説明します。これまで、新型コロナウィルス感染症の影響を多大に受け、友達と交流する機会も制限されてきましたが、これからは、多様な人と協働しながら取り組む機会が多くなります。こうした機会に、喜びや苦しみ等を分かち合えることが大切になります。
 また、平和を希求する世界中の人々を恐怖と不安に陥れたロシアのウクライナ侵攻は、1年を超え、長期戦の様相を呈してまいりました。ローマ教皇は、「世界的な紛争を生きる今日の劇的状況において、対立的でないコミュニケーションを確立することが求められている」と述べられ、「世界広報の日」(日本の教会においては、5月14日に行なわれる)のテーマを「『愛に根差した心理に従い』心を込めて話す」を選ばれました。私たちは、引き続き、世界平和を希求し続けるとともに、授かった命、かけがえのない命を大切にしながら、他者に対する「思いやり」と「感謝」の気持ちを育んでいきましょう。

(パワーポイントで説明:以下のPDFファイルをご覧ください。)

最後に、宮澤章二さんの詩を紹介し、式辞と致します。

 【自分の一歩】
  いま わたしの踏みしめる一歩は

  誰か他の人の一歩ではない
  私の足が地上に刻む一歩は

  いつでも わたし自身なのだ

  他の人より一歩先を歩くからといって

  他の人より優れているとは限らない
  他の人より一歩後を歩くからといって

  他の人より劣っているとは限らない
  自分の目標を定めて歩き出したのだから

  自分の一歩をしっかりと信じて進もう
  その決意が 最後まで歩く力を生む

  出発点には<人生>など まだない

  到着点にこそ わが<人生>はあるのだ
  歩きつづけ生きぬいた尊い証明として


書道部の作品のことば「楽しいは、成長の一歩  好きは、夢への一歩」となりますように!
校長 小野田 文明
  • (2023-04-06・382KB)
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