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校長先生のお話

一学期終業式 式辞
2023-07-20
 最近、「やっと」または「ようやく」という副詞がマスコミでもよく使われていますが、コロナ禍で制限された日常生活・学校生活が「やっと」「ようやく」本来の姿を取り戻しつつあること、ともに喜びたいと思います。コリントの信徒への手紙(10章13節)「神は真実の方ですから、あなたがたを絶えることのできないような試練に会わせるようなことはなさいません。むしろ、耐えることのできるように、試練とともに、脱出の道も備えてくださいます。」このフレーズをコロナ禍の中でも、紹介してきましたが、まさに、この三年間の試練と現在、すなわち、脱出の道を物語っている教えだと思います。

 さて、今学期は、新型コロナウイルス感染症が5類に移行する直前に実施した運動会で実行委員の皆さんに校長特別賞を贈りました。従来の形が可能とはいえ、ほとんど経験のない中での開催、イメージしにくい中でも精力的に行動するとともに、創意工夫した運動会を作り上げてくれたことに対する賞でした。閉塞感の漂う三年間から解放され、この取り組みに始まった今学期、皆さんが様々なことにチャレンジしながら学校生活を送ってくれました。先ほど賞状伝達したように各種大会やコンクール等で見事な賞を獲得した多くの皆さんの活躍。そして、授業・部活動をはじめ、全校生徒が一堂に会して行われるようになった生徒朝礼、中学合唱コンクールやオープンスクール等の学校行事、中体連・高体連主催の大会参加、ばら祭の折りばらにチャレンジコーナーでの指導や街角ピアノ・私学フェスタ・講演会等での演奏や発表など多くの場で皆さんが活躍してくれました。「暁の星の生徒の発表や活動ぶりが素晴らしかった。」、「生徒の歌声を聞いて、大変感動しました。また、来年もお願いしたい」等称賛の声も寄せられ大変嬉しく思います。 こうした理由から本年度の一学期も「生徒の皆さん全員」へ校長賞を送ります。

 一方、残念なこともありました。校則に反する行為やSNSの不適切な取扱いにより指導されたケースが生じたことです。中高生時代は、悩みを抱えたり、苦しんだりすることも多くある時代です。それだけに、ちょっとした言動にも深く傷ついたり不安を抱えたりすることがあります。とりわけ、全国の中高生の中でライン等のSNSを巡るトラブルに巻き込まれ、かけがえのない命を奪われたケースもあります。他の人の悪口を書き込んだり、無断で写真を掲載したりすることは、人を不安に陥れる卑劣な行為であり、犯罪行為にもつながりかねません。絶対にしないようにしてください。皆さんが、安心して安全に学校生活を送る上で、ルールを守りながら生活することは、とても重要です。マタイによる福音書(7章12節)「人にしてもらいたいと思うことを何でも、あなたがたも人にしなさい。」ルカによる福音書(6章31節)「人にしてもらいたいと思うことを、人にもしなさい。」という聖書の教えは、黄金律と呼ばれ、「時代を超え、国境を超えて万人に通用する心」として大事にされています。この教えは、本校の教育目標でもある「恕の心」にも通じるものです。必ず、ルールを守りながら安心して安全に過ごすことができる学校生活にしていくことが目標達成にもつながります。本年度の本校教育目標は、「命・恕・感謝の心を育む」とともに、EGGの力の一つであるEmpathy、すなわち「共感」する力を育むことでした。共感する力は、苦しんでいる人がいたら、その人の立場に自分の身を置いて、痛みや苦しみ・気持ちを理解し分かち合える(共有できる)能力です。本日、聖書朗読されたヨハネの福音15章は、「イエスはまことのぶどうの木」という章で、聖歌「キリストはブドウの木」のもとになったものです。とりわけ、先程聴いた9節~14節は、本校の教育目標である「共感」につながる教えであると捉えています。友達やクラスメイトに嫌な思いをさせてはいませんか。共感しあえていますか。こうした観点でも、今学期を振り返ってみてください。私は、皆さんが本校で学んでよかったと思えるよう、様々な活動を通して、成長の喜びを味わうとともに,充実した学校生活を送りながらあなただけの素敵な花を咲かせてほしいと強く願っています。

6年生の皆さんにとって、自分の将来につながる進路実現へ向けての大切な39日間です。夏季補習もあり大変だと思いますが二学期から本格化する受験へ向けての学力をつける上で極めて重要な時期と言えます。「夏を制する者は受験を制す」といわれるように、この夏の過ごし方が、進路に大きく影響すると言っても過言ではありません。先生方の指導を踏まえ、時間を大切にしながら計画的に取り組み確実に力を伸ばしてください。

今年の夏季休業中、国外へ渡航することも可能となったことに伴い、5Cの永戸ももさんは、第26代高校生平和大使として8/22にジュネーブの国際連合軍縮局を訪問し、核兵器廃絶のスピーチを行う予定です。また、5名の皆さんが8/7~8/15の9日間フィリピンでの短期研修に参加予定です。さらに、中国・全国大会に出場したり、校外活動等に参加したりする人もいます。それぞれが、日ごろの成果を発揮しながら、目標を達成できるよう願っています。精一杯力を発揮してきてください。家族で有意義な時間を過ごす予定の人もいると思います。この夏しかできないこともあります。それぞれの皆さんが充実した夏休みを過ごせますように。
今夏は、災害級の猛暑も予測されています。熱中症には十分留意しながら有意義な夏季休業にしてください。二学期のスタート、皆さんの成長した元気な姿が見られますように。

校長 小野田 文明
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