学校長 あいさつ
学校長 児玉 ゆかり
福山暁の星小学校は、カトリックのミッションスクールとして1964年の開校以来、「一人ひとりが神からいただいている全てを開花させる」全人教育を目指しています。
子どもたちは「神様から愛されている」ことを感じながら、自分と同じように他の人を大切にする心をもって、他者に働きかけることができるよう、日々学んでいます。
昨年11月、ローマ教皇訪日の際の広島平和記念公園での「平和のための集い」への参加は、改めて命と平和の尊厳、カトリック学校の使命について深く考える機会となりました。地球上で起きている問題は、すべてつながっているという意識を持ち、核兵器廃絶、環境保護と途上国の貧困問題に全世界の人が自分のこととして行動を変えなければ、大変なことになるという強いメッセージを発せられました。その後、間もなく新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、全世界が人類史上最大の危機に瀕しています。この困難にどんな意味を見出すのか。地球に暮らす一員として、すべての命を大切にし、ポストコロナをよりよい時代に変えていく主体者としての自覚を育てるSDGsに沿った教育活動を、さらに充実させる必要があると考えています。
休校で始まった今年度は、新学習指導要領の本格実施の元年です。その前文には「様々な社会変化を乗り越え、持続可能な社会の作り手となることができるようにすることが求められる」と書かれています。コロナショックの中、生きて働く知識や技能の確実な習得はもちろん、それ以上に学校教育で大切にすべきことは、目の前の課題に主体的に立ち向かい、他者と協働しながら、課題解決に取り組む主体性を育てることであると実感しています。そのために、子どもたちが、学ぶことが楽しいと感じるよう、「何を学ぶか」だけでなく「どのように学ぶか」を重視して授業改善を進めてまいります。
これまでも特色としてきた英語教育については、発達段階に合わせ1年生から無理のないように、ネイティブスピーカーと日本人英語教員の2名による授業を行っています。小学校卒業時までに楽しみながら学び、語彙量を増やすとともに、自ら知識を増やそうとする力を支援し、英語を使って関わろうとする気持ちをしっかりと育てたいと考えています。
長い休校の間、子どもたちの学びを止めないために、何をすべきか模索しながらの日々から見えてきたこともたくさんありました。苦しいことにも意味を見出せば、成長につながるというシスター渡辺の言葉をかみしめています。「zoom」で子どもたちとつながることやホームページ上に学習用の動画をアップするなど初めての試みの中で、オンラインでできることについての手ごたえは感じました。しかし、学校行事など体験を通してリアルな学びでこそ育てることができることについては、改めてその意味や価値を見直し、大切にしていきたいと考えています。変えてはいけないこと、変えるべきことを明確にし、より良い選択をしていく所存です。
「喜んで登校、満足して下校」を合言葉に、子どもたち一人ひとりが、自分のよさ・友だちのよさに気付き、個性を伸ばす努力を続けることができるよう、温かく笑顔あふれる学校教育を推進してまいります。