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校長先生のお話

一学期始業式 式辞
2022-04-05
 皆さん、おはようございます。
 桜の花が咲き誇る中、新たにフレッシュな3名の先生方をお迎えしての新年度となりました。新たなクラスでの出発、ワクワク・ドキドキしていることと思います。本年度も、この場へ一堂に会することができない状況でのスタートとなりました。皆さん一人ひとりの顔が見えないのが残念ですが、元気に登校してくれたことと思います。
 新型コロナウィルス感染症は、まん延防止等重点措置解除後も、本市では高止まりの状況が続き、感染力の強いBA.2への置き換わりも進んでおり第7波到来も懸念されています。
 いつ誰が感染してもおかしくない状況と言えますので、引き続き、緩みなく自ら感染しない行動、新しい生活様式に基づく行動をとることが極めて大切です。
 密集・密接となる活動や部室等の狭い密閉空間での行動については、先生方の指示を必ず順守してください。
 なお、現在は、オミクロン株の重症化率等を踏まえ、様々なイベントが観客を入れての開催が可能となっています。本校でも、4月28日の運動会は感染症対策を十分に踏まえながら開催することとしています。保護者の参観も人数制限等を設けながら可能にしたいと検討しているところです。なお、1年延期した5年生の修学旅行は、集団での他国への渡航にはまだ制約が多くあるため国内に変更しての実施といたします。2年生の林間学校も、集団での宿泊はリスクも高いことから中止とし、宿泊を伴わない他の活動を検討しています。他の行事についても、今後の情勢を踏まえながら、慎重に検討してまいります。
 さて、6年生の皆さんは、本年度より、18歳の誕生日を迎えれば、新成年になります。契約等に係るトラブルには細心の注意を払う必要がありますが、成年としての自覚ある行動がより求められます。また、高校生活での最終コーナーに差し掛かり、夢の実現へ向けてのラストスパートの時機到来でもあります。一昨年度から始まった大学入試共通テスト・総合型選抜・学校推薦型選抜の傾向も見えてきています。とりわけ、私立大学では、12月までに実施される総合型選抜・学校推薦型選抜で定員の約6割の合格者を決定する大学が多くを占めるようになりました。また、国立大学協会が本年1 月 28 日に決定した「2024年度以降の国立大学の入学者選抜制度」の基本方針によると「一定の学力を担保した上で、調査書等の出願書類に加えて、小論文や面接、プレゼンテーショ ンなど多様な評価方法を活用し、これら学力試験以外の要素を加味した総合型選抜・学校推薦型選抜などの丁寧な入学者選抜の取組を加速・拡大する。」としています。
 共通テストの英語においては、リーディングとリスニングの配点比率が1:1になり、「聞く」力をつけることがより重視されるようになりました。音声問題も、1回だけの聞き取りで解答する問題の比率が高くなっています。こうした変化への対応はもとより、先生方からしっかりアドバイスを頂きながら課題を克服し、夢の実現を図ってください。
 さらに、私立大学の経済学部等では、新たに「数学」を入試に課す大学も増加傾向にあります。
 これからの大学入試では、このように探究力・国際力・理系力を求める傾向も顕著になってきていますので、6年生のみならず、大学進学を視野に入れている皆さんは、目標とする大学の入試情報を十分に注視しながら教科選択するとともに、その学びを深めていくことが求められます。
 したがって、こうした新たな入試動向を踏まえ、「オンライン」での外国の生徒等との交流や授業、GU・WEの授業等に積極的に臨み力を付けて行ってください。
 また、本年度の高等学校1年生から、新たな教科「情報」「公共」等が加わるとともに、教科の中でも探究型の教育内容が盛り込まれることとなりました。
 これからの時代は、知識技能を身に付けることは言うまでもなく、探究型の学習で培う思考力・判断力・表現力、「主体的に多様な人々と協働していく力」や「学びに向かう力」も重要視される時代であることを踏まえ、個々の力をつけていってください。
 ボランティア活動へ主体的に関わることや17の持続可能な開発目標(SDGs)に係る活動等へ積極的に参加することは、これから求められている力を付ける上で有効です。
 こうした学力を付けるためにも、引き続き、三つの力(EGGの力)を大切にしながら学びの力を向上させてください。
  ● Empathy(共感する力)
  ● Grit(やり抜く力)
  ● Growth(学び続ける力)
 とりわけ、本年度も最後まであきらめずやり抜く力、Gritを大切にしてください。

 さて、本年度の本校教育目標は、昨年度までの「而今 命・恕(思いやり)・感謝の心を育む」を継続するとともに、新たに「自律」を加えました。「じりつ」といえば、立つという文字で表す「自立」と法律の律という文字で表す「自律」がありますが、本校が目指すのは後者です。この講堂にいる皆さんは、右上の文字で確認ください。
 前者の自立は、与えられた課題等を決められたルールや方法できちっと行うと目指すゴールに達成するというものです。定型・ルーティーンの活動であり、数式で例示すると、「5+3=8」となります。
 後者の自律は、「自ら最適な手段・プロセスを探しながら設定した目的を達成すること」、数式で例示すると「X+Y=Z」となります。すなわち、「自分で考え、自分で行動する力」をつけることが、本年度の目標の一つです。
 (※ 生徒へ説明した画面は、本文の後に表示しています。)
 この二つの「じりつ」を村山昇氏は、赤ちゃんの成長に例えています。
 ハイハイしていた赤ん坊がやがて自らの二本足で立ち上がる。これが、前者の立つ「自立」です。一方、後者の「自律」は、自分の足で立った後、自分の意志のもとに方向づけ進んでいくとことと説明されています。
 マタイによる福音7章7節では、次のように教えています。
 求めなさい、そうすれば与えられる 探しなさい、そうすれば見つかる
 門をたたきなさい、そうすれば開かれる だれでも、求める者は見つけ
 門をたたく者には開かれる

 しっかり、「自律」の文字を意識した行動をとり、自分自身を成長させる年にしましょう。

 本年度も、通常の日常生活が儘ならない中だからこそ、「而今」、今という時間(瞬間)を大切にしながら学校生活を送ってください。福者マリー・テレーズ・ド・スビランも、「過去や未来ではなく、今の瞬間に全力を尽くすことです。」と言っていることは知っている通りです。
 また、ロシアのウクライナ侵攻により多くの市民の尊い命が奪われている報道が日々届き、胸が締め付けられる思いです。私たちは、引き続き、世界平和を希求し続けるとともに、授かった命、かけがえのない命を大切にしていきましょう。アインシュタインも、「他人のために尽くす人生こそ、価値ある人生だ」と言っています。他者に対する「思いやり」と「感謝」の気持ちを育んでいきましょう。
校長 小野田 文明
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