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校長先生のお話

二学期終業式 式辞
2020-12-22
二学期終業式は,リモートで各教室に放映し行いました。その際に述べた式辞を紹介いたします。
 
 この二学期も,新型コロナウィルス感染症の影響を多大に受け,「艱難と忍耐」を強いられる生活が続きました。これまで何気なく過ごしていた日常生活が,私たちにとって,いかに平穏かつ平安な日々を齎していてくれたことかと痛感せざるを得ません。先程,二学期校長賞の発表をしましたが,こうした状況の中で,懸命に命と向き合い治療に携わっておられる医療関係者の皆様や活動制限等で閉塞感が漂う市民に向けて歌声を届けてくれました。さらに,本校でのハレルヤコーラスや聖歌等,本来なら全校あるいは学年で合唱したり斉唱したりする場面で,コーロ・ステルラの皆さんが中心となりオンラインでの歌声提供にも協力してくれました。歌うことがかなり制限される中で,工夫しながらの練習はもとより準備,当日の対応等で大変なご苦労があったものと推察いたします。
 命がけで感染症と戦っておられる医療関係者への感謝,市民や本校生徒の皆様への思いやりが伺えました。
 まさに,本校の教育目標「命・恕・感謝の心」を奇麗な歌声・ハーモニーで示す素晴らしい活動でしたので校長賞を贈りました。
 コーロ・ステルラだけでなく,先程,賞状伝達したように各種大会等で素晴らしい成績を収めており,その活躍ぶりを嬉しく思います。
 なお,コーロ・ステルラの皆さんは,「第15回ヴォーカル・アンサンブル・コンテストinひろしま」予選で31団体中10団体に選出され,1月の本選に参加することが決定いたしました。おめでとうございます。
  また, 5年の川西さんは,「とびたて留学JAPAN」のゲストレポーターに選出されるとともに,12月26日にオンライン開催される「超文化祭 中高生と根本さんによるトークタイム」にSDGs for Schoolユースメンバーにも選出され参加することとなりました。こうした活動に積極的に挑戦して行く姿勢はとても素晴らしいことです。
 
 さて,新型感染症の猛威は,収まる気配もなく拡大の一途をたどっています。本県・本市においても,クラスターの発生も見られ,この年末年始の行動についても要請が出されています。
 皆さんも,次の点を厳守しながら「かからない,うつさない」行動をとってください。
・三密を回避する
・マスク着用,手洗い,1m以上距離を取った会話,加湿・換気を徹底する
・体調不良の時は,人との接触を控える
・多人数での会食を控える
・致し方ない場合を除き,感染拡大地域への移動を回避する
 なお,三学期が始まった際も,自分自身あるいは家族に発熱症状がある場合は,登校しないようにしてください。
 
 6年生の皆さん,新たな大学入試共通テストまで1ヶ月を切りました。入試制度の度重なる変更とともに,この感染症の影響も多大に受け,リモート受験に変更,一次試験のみに変更,個別入試を共通テストで対応等と受験に係る変更をしている大学もでるなど,まさに「艱難と忍耐」を強いられた状況が続いています。
イチロー選手は,「小さいことを重ねることが,とんでもない所へ行くただ一つの道だ」と言っています。私たちも,できるだけサポートやアドバイスをしていきますので,今は,1秒1秒を大切にしながら,粛々と受験へ向けての学習を積み重ねてください。
 
 全校の皆さん,私は,「艱難汝を玉にす」ということわざを座右の銘にしています。日本のことわざは,中国の古典を出典としているものが多いのですが,これは西洋のことわざ「Adversity makes a man wise.」(逆境は人を賢くする)の意訳と言われています。「艱難」とは,困難にあって,苦しみ悩むこと,すなわち,苦難のことです。
 コリントの信徒への手紙一 10-13では,「あなたがたを襲った試練で,人間として耐えられないようなものはなかったはずです。神は真実の方です。あなたがたを耐えられないような試練に遭わせることはなさらず,試練と共に,それに耐えられるよう,逃れる道をも備えていてくださいます。」と教えています。
 「神は乗り越えらない試練を与えない」「神は乗り越えられる試練しか与えない」とよく言われますが,この教えからきた言葉だと言われています。「逃れる道をも備えていてくださいます。」とあるように,必ず希望の光がさしこみ,当たり前だと思っていた日常が訪れます。これまでも幾多の感染症が人類を襲ったことがありますが,「逃れる道をも備えていてくださいます。」とあるように,それを克服してきたことは歴史が証明しています。
 20日に行われた全国高校駅伝で,広島県立世羅高等学校が見事男女アベック優勝を果たしました。その粘り強い走りは,私たちに大きな感動と喜び,そして,希望を与えてくれました。女子は,全員が粘り強くタスキをつなぎ最終区で逆転しての前評判を覆す優勝,男子は,途中脇腹痛に襲われながらも,ダメージを最小限に抑える粘りでトップをキープしてタスキをつなぎ,そのままゴールテープを切っての優勝。脇腹痛に襲われた新谷選手は,レース後,「昨年までの自分なら粘れなかった」とコメントしていますが,キャプテンとして,優勝候補というプレッシャーを抱える中でのアクシデン,大変な重圧と焦りがあったことでしょう。その中での粘りがコメントに表れています。
 「風雪に耐えて 柳はしなやかに」と池田真知子先生の叔父様が書に認めて下さいました。艱難な時期だけに,桜の坂道を登り切った所にあるナザレトの家の角,大きな幹に小さい葉を多数茂らせている柳の樹のように,強くしなやかに過ごして行きましょう。 
 最後となりましたが,1年生の皆さんが年末に放映されるNHK紅白歌合戦の嵐の歌唱シーンで放映される「カイト」歌唱動画に応募いたします。採用されるか否かは,まだ定かではありませんが紹介しておきます。
 では,よいお年をお迎えください。
校長 小野田 文明
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