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校長先生のお話

二学期終業式 式辞
2019-12-20
 先程,高校文芸部の皆さんと4年の小川ゆきさんに校長賞を授与しました。
 文芸部の皆さんは,少人数ながら,昨年度は,高文連の大会等で優秀な成績を収め,廃部の危機を乗り越えてきました。
 部活動の存続さえ危ぶまれた状況から,今日に至るまで,部員一丸となり,部誌「ふじむらさき」の発刊や短歌・詩・随筆・小説等の作品作りに勤しんできました。本年度は,こうした苦労や努力とともに日々の緻密な活動が報われ,県大会の最優秀賞,全国大会の優秀賞等に輝きました。
 また,4年の小川ゆきさんは,第8回手帳甲子園近畿中四国大会において,最優秀に輝き,見事に全国大会へ出場することとなりました。昨年度僅差で全国大会の切符を手にすることができなかった悔しさをばねに, NORTY手帳の効率的な使い方等,さらなる工夫や精進を重ねるとともに,当日のプレゼンテーションでもレベルの高い発表を行い手中に収めたものです。
 両者とも,まさに,やり抜く力(Grit),学び続ける力(Growth)を発揮した証だと捉え校長賞といたしました。
 
 さて,令和の時代に入った今年も,台風や記録的な豪雨による河川の氾濫等により,東日本各地で,かけがえのない尊い命が多く奪われました。近年,毎年のように自然災害が我が国を襲い甚大な被害を及ぼしています。自然災害が多発している背景には,地球の温暖化が強く影響しているとも言われて,その対策が求められています。
 国連気候行動サミットで各国の地球温暖化対策について,スウェーデンの16歳の女性グレタ・トゥーンベリさんが、各国首脳を前に「あなた方は私たちを失望させている。そして,もしあなたたちが欺いたなら、私たちは決して許さないでしょう。」とスピーチし大きな話題にもなりました。
 今学期は,こうした自然災害による被害や対策とともに,改めて「命の大切さ」を痛感した学期でもありました。
 とりわけ,ローマ教皇の38年ぶりの来日は,連日大きく報じられました。「すべての命を守るために」というテーマで来日され,私たちに勇気と希望,そして大きな感動とともに,改めて私達に命と平和の尊厳について考える機会をお与えくださいました。私は,平和公園で教皇フランシスコのお姿を拝見し,メッセージを拝聴しました。「ここで大勢の人が,その夢と希望が,一瞬の閃光と炎によって跡形もなく消され,影と沈黙だけが残りました。」「戦争のために原子力を使用することは,現代において犯罪以外の何物でもありません。」「真の平和とは非武装の平和以外にあり得ません。」などのメッセージはもちろんですが,キャンドルに点火後,献花台に手を置かれたまま,しばらく微動だにされなかった静寂の時間がとても感動的で強く印象に残りました。教皇の深い悲しみがひしひしと伝わり,その静寂の中に,全世界が吸い込まれるのではないかと思えた不思議な時間でした。
 「私は平和の巡礼者として,この地の歴史の中にあるあの悲惨な日に,傷と死を被ったすべての人との連帯をもって悼むために参りました。命の神が,心を平和と和解と兄弟愛へと変えてくださるよう祈ります。」と英文で記帳されたメッセージも「命と平和」への強い願いが込められていました。
 私たちも,命を大切にするとともに,平和を希求し続けていきましょう。
 
 今年の流行語大賞に「ONE TEAM」が選ばれました。日本で開催されたラグビーW杯2019において,「ONE TEAM」を合言葉に結束力を高め、史上初のベスト8に進んだ戦いぶりは、多くの人に感動を与えました。
 今学期も,バスの中で気分が悪くなった小学生を看病したり,転んでけがをしている小学生が不安にならないように付き添ってくれたり,とても心温まる優しい行動をとってくれた人がいます。とても,嬉しく思います。
 一方,いじめで苦しんだり寂しい思いをしたりした人もいました。いじめがあったことに,とても心を痛めるとともに申し訳ない気持ちで一杯です。
 いじめは絶対に許されない行為です。今や全国的に,LINEやSNSでの一言が,トラブルやいじめの原因に繋がっているケースも多々報告されています。
 皆さんは,暁の星の門をくぐった家族です。まさに,「ONE TEAM」です。一つのチームとして,しっかり結束して「いじめ0」の学校にして行かなければなりません。
 今週の月曜日には,厳粛かつ神秘的な雰囲気の中で光の伝達式が行われました。6年生から5年生へと伝統の火が受け継がれる儀式です。これまで,先輩たちが築き上げてきたWomen for Othersの精神と「愛と奉仕の心」が伝承された瞬間でした。昨日のクリスマス会も,厳粛かつ幻想的な雰囲気に包まれた儀式となり,講堂全体にハレルヤコーラスの美しいハーモニーが響き渡り,とても感動的で印象に残りました。その後の奉仕活動は,まさに,愛と奉仕の心を体現した活動で,訪問先のお年寄り等からも感謝の言葉が寄せられています。
 こうした活動が,本校のあるべき姿です。多くの人から感謝され,感動を与える行動に溢れ,一人ひとりが大切にされている学校にしていきましょう。皆さんの行動や言動に期待しています。
 これから,17日間の冬休みに入りますが,6年生の皆さんにとって,大学入試センター試験まで,残すところ1か月弱です。体調管理に万全を期しながら,残された時間を有効に使い,できるだけ弱点を克服してセンター試験に臨んでいって下さい。
 5年生の皆さんにとって,つい最近,英語の民間試験並びに国数の記述式問題の導入が見送りとなるなど,国の施策に大きく振り回された年となりましたが,センター試験に変わり,共通テストとなることは間違いありません。各大学が実施する個別入試では,記述式も当然出題されます。こうした受験対策とともに,先日の光の伝達式で「麗和の会」の皆さんから受け継いだ光をしっかりと燃やし続けてください。
 皆さんの中には,この冬休み中,他国の文化に触れたり,家族で初詣や旅行等に出かけたりする人もいると思いますが,イエス御自身の「受けるよりは与える方が幸いである」という言葉に思いを馳せ,25日のクリスマスも過ごしてみてください。
 新学期すぐに,実力テスト等も予定されています。対策もしっかりしておきましょう。1月7日に元気な姿で登校してくれることを祈念しています。新しい年は神様の豊かな恵みと祝福が皆さんの上にありますように。
 
 
校長 小野田 文明
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