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校長先生のお話

4月の「雑感」
2016-04-21
 入学式の前から職員会議その他で忙しい日々が続きました。何よりも3月27日の復活祭のために多くの準備の時間を取ったことが最大の理由でした。4月に入ってからも忙しい日々でした。5日の始業ミサから、7日の始業式、8日の入学式(中学校と高等学校)と息つく暇もなくひたすら走ったという感のある一週間でした。
  桜の花も、今年はひときわ綺麗に咲いていたように思えるのですが、あまり記憶にありません。4月16日には中学校の新入の生徒たちと福山少年自然の家に行きうどんを作って食べました。一緒に行ったシスターから、「奉仕するシスターと校長先生というのは生徒たちもそれを見ますから、良い模範になるのではないでしょうか」と言われてもう職員のかまど(うどんを煮るために大鍋に水を入れているもの)と、参加者全員のためにうどんの汁を温めるためかまどの二つをほぼ同時に火をつけて火を絶やさず、火力を強めて持続させるときのドキドキ感は、もう何年もやってますが変わらないものです。
  生徒たちと一緒に指導員の方のお話を聞いていましたら、こんな言葉が聞こえてきました。「皆さんが火が付いた、燃え出したといって何もしなかったら、火は消えてしまいます。火は育てるものなのです。」という言葉が胸に直接に響いてきたのです。火だけじゃなく、人間関係も勉強の習慣も育てて行かなければならないものなのです。次の週の中学・高校の校長朝礼では、できるだけ分かり易く「育てること」の大切さについてお話したようにも思います。最後は洗い物まで終えて学校に帰ってきました。
  今、学校の掃除時間に、花壇の中に生えている雑草を中学1年生と一緒に抜いています。一緒に雑草を抜いていても、蝶々が来るとまず魅いられ、その後夢中になってその蝶々を追いかけるというとんでもない行動に出ます。幼いと言えば言えるでしょうが、そういう環境の中で育っていないから、珍しくてそういう行動になるのではないかと考えてしまいます。
  私は、長崎県の佐世保の山の中腹で、段々畑や、田んぼや、ミカン畑に囲まれて育ちました。ムカデや蛇と日常の生活で出会い、野兎を追いかけ、猫や犬と一緒に野山を走り回っていました。トンボを追いかけたり、セミを取ったり、池を干して、フナやメダカを取り水槽で飼っていました。そういう環境で育っていましたから、あまり自然界が珍しいという気持ちがありません。でも夕焼けの美しさに見とれていたり、冬が終わって花が咲き乱れる時期には、何時間も花の傍で佇んでいたと母からよく笑われました。
  でも生徒たちにとって、この季節は珍しく楽しいことなのかもしれません。花の中にはいかにも毒虫だぞと言わんばかりの、アゲハチョウの幼虫もいます。それを見せると「キャア」とか「それダメ」とかいう言葉は聞こえますが、しみじみと観察する子はいません。
  忙しい毎日の中で、いろんなことを考えさせてもらえる春なのだと神様とマリアさまに感謝しながら生きている今日この頃です。

校長 山口道晴
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