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校長先生のお話

2011年10月20日の創立記念日に思うこと
2011-10-19
 暁の星女子中学・高等学校の創立記念日が10月20日に来ます。創立記念日というとどうしても建学の精神について考えたくなります。ミッション・スクールと言えば、内容よりも、別学でシスターや男子の修道会が経営する学校というイメージを持つようです。最近はミッションという言葉が、キリスト教系男子校・女子高という意味だけではないことがよく理解されてないようでもあります。
 ミッションという言葉は、もともと「使命」という言葉であり、何の使命かというとキリストを伝える使命だと思うのです。キリストの何を伝えるかというと、「生き方」であり「愛」であり「許し」を伝えるのです。そのキリストの生き方を教え、人間としてもっとも人間らしい生き方の模範をキリストに求めていくのです。
  そのキリストの生きざまをすぐそばで見ておられ、生涯をキリストの生き方にならっていた母マリアさまの生き方を大切に考えるのもカトリックの考え方です。母であり、女性の模範としての生き方がマリアの中にあると考えて、マリアさまを保護者と考えて中心に置くのが「援助マリア修道会」であり、そこが経営する学校が「暁の星」(明けの明星=マリアさまの象徴)であることが理解されます。
  明け方、東の空にひときわ美しく輝く明けの明星は、その光を投げかけながら朝の訪れを告げ、人々に今日を生きる力と喜びを与えます。そのようにマリアさまをお手本として生きることができるように会の創立者は願いました。「援助マリア修道会」の創立者たちは、マリアのように清らかで優しく、人々に希望を分かち合うことができる、賢く強い女性を育てることを目指していたようです。
  創立者の時代は、19世紀半ばで産業革命の発展の時代であり、多くの女性と低年齢層の女性の過酷な労働を産みだしていました。その中で創立者であるマリ・テレーズ・ド・スビランは、14歳から25歳までの若い女性を助けること、とりわけ家族から離れて、大都会に住み、仕事場や工場に通っている若い女性に援助の手を差し伸べること(注1)を考えていたようです。
  奇しくも創立者マリ・テレーズ・ド・スビランは1946年10月20日にローマのヴァチカンで福者(聖人の位の前の段階)に列せられています。その時に参加していたラサール神父(日本名 愛宮 真備 えのみや まきび)<イエズス会管区長>によって、援助マリア会に、広島の福山の地に派遣を頼まれ、受け入れられています。その日が創立の日になっていることは、すごく意味があり、大切なことなのだと思います。
  いろいろなことを考え、創立者について考えるときに、この学校がマリアさまの保護のもとに置かれ導かれていることがすべて学校の創立につながっていることが学べて有益であったと思います。
  注1 「愛とあわれみ」尾崎 正明訳 p26参照

校長 山口道晴
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