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校長先生のお話

三学期始業式 式辞
2019-01-07
 あけましておめでとうございます。
 こうして皆さんと大過なく三学期の始業を迎えられたこと,神に感謝するとともに大変嬉しく思います。
 皆さんにとって,どんな冬休みだったでしょうか。ドイツ研修旅行や北京教育訪問団として,他国の文化や歴史に触れることで,新たな学びと共に見識を深めた人,地区中学校新人駅伝で学校代表選手として健脚を競った人等貴重な経験を積んだ皆さんもいます。また,6年生の皆さんは,入試へ向けての対策に費やした冬休みであったことでしょう。
 平成の時代も最後となる年を迎え,皆さんは,どんな決意を抱いたでしょうか。私は,昨年この場で,「挑戦」する年にしたいと皆さんに伝えました。今年は,「挑戦(Challenge)」と「継続(Continuation)」をキーワードに,皆さんが安心して安全に学べるよう全力を傾けたいと決意しています。
 さて,昨年12月18日の報道では,ローマ法王フランシスコが,今年の終わりごろに訪日し,被爆地広島・長崎を訪れたいと述べられたことが掲載されました。もし実現すれば,1981年のヨハネ・パウロ2世の訪日以来,2度目のことです。ローマ法王は,「両市の市民のために,私の祈りを捧げることを約束します」と手紙に綴られていたということです。
 昨年の三学期の始業式では,ローマ法王が原爆投下後の長崎で撮影された「焼き場に立つ少年」の写真をカードに印刷して,裏面に「戦争の結果」と記入し教会等に配布されたことを紹介しました。
 核戦争の脅威を訴えるとともに,まさに,瀬戸際の世界情勢を憂い実施されたものでした。
 「このような写真は,1000の言葉よりも人の心を動かし得る。皆さんと共有したいと思ったのもそのためだ。」ともコメントされています。
 昨今の平和を脅かす国際情勢や新年早々,かけがえのない人の命を簡単に奪おうとして車を暴走させるような世の中を震撼させる事件も生起しています。こうした時だからこそ,被爆国である我が国へのローマ法王の訪日が実現すれば,多くの人が改めて平和や命の尊さについて熟考できる年になるのではないかと期待しています。
 昨年7月には,長崎・熊本両県の「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界文化遺産に登録されました。
 弾圧を受けても,聖書の教えに基づき,平和や命の尊さ,そして,愛と奉仕の心を大切にしながら貴重な文化遺産を守り続けてきた先人たちの思いは,今の世こそ引き継がなくてはならないのではないでしょうか。
 6年生の皆さんは,いよいよセンター試験まで,後12日となりました。昨年も紹介しましたが,パナソニックの創始者松下幸之助は,「成功した人とは,成功するまで諦めなかった人のことだ」,また「どんなに悔いても過去は変わらない。どれほど心配したところで未来もどうなるものでもない。いま現在に最善を尽くすことである」と言っています。不安になることもあると思いますが,焦らず諦めず堅実に努力することが大切です。今日という日を悔いのないように過ごし,目標が達成できるようお祈りしています。これまでの学校生活の集大成です。体調管理にも十分留意して,合格を目指していきましょう。
 
マザーテレサは,
 わたしたちのランプの油の滴は,何でしょうか?
 それは毎日の生活の中の小さなこと。
 誠実さ,ちょっとした優しい一言。
 少しは人を思いやる心,このような,ささやかな沈黙や,表情や,
 思いや,言葉や,しぐさです。
そして,
 たいせつなのは
 どれだけ たくさんのことをしたかではなく
 どれだけ 心をこめたかです
と語っています。
 宮澤章二さんの「行為の意味」を抜粋要約した「『こころ』はだれにも見えないけれど,『こころづかい』は見える。『思い』は見えないけれど,『思いやり』はだれにでも見える」というフレーズがありますが,この詩は,次のように結ばれています。
 あたたかい心が あたたかい行為になり
 やさしい思いが やさしい行為になるとき
 <心>も<思い>も 初めて美しく生きる
 -----それは 人が人として生きることだ
 生徒の皆さん,今年も,心の中に,平和を愛する砦を築く一年にするとともに,是非,日々最善を尽くしながら,古い自分を脱ぎ捨て大きく成長したと言える一年に,そして, 引き続き,ひとりひとりの生徒が,「恕」の意味合いを理解した行動がとれ,「あたたかい行為」と「やさしい行為」で溢れる学校にしていきましょう。
校長 小野田 文明
 
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