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校長先生のお話

二学期終業式でのことば
2018-12-20
 今学期の校長賞を,先程,ギターマンドリン部の皆さんに授与しました。
 毎年,県大会で高い評価を頂き,全国大会に出場し続けるということは,並大抵のことではありませんが,今年も全国大会の切符を手中に収めました。
 私も,先月23日に広島女学院で行われた全国大会予選の演奏を聞きに行きました。強弱もしっかりとれ,会場の聴衆を引き付ける本当に見事な演奏でした。審査員の方からも期待通りの演奏で素晴らしかったという高評価を頂きました。プロの審査員の方から期待通りという言葉を頂けるということは,滅多にないことだと思います。とりわけ,チームワークがうまく取れないと演奏の乱れとなり高い評価を得ることも難しくなります。
 日頃から,この日のためにチーム一丸となり,厳しい練習を乗り越えてきた成果であり,まさに,部員一同が共感する力(Empathy),やり抜く力(Grit),学び続ける力(Growth)を発揮した証だと捉え校長賞といたしました。
 他にも,広島県科学賞で広島県教育委員会賞を受賞したECOクラブの皆さん,第7回手帳甲子園大阪大会に出場する5人の内の一人に選出され,先週15日に大舞台でのプレゼンテーションで高評価を得た3年の小川さんをはじめ,様々な分野で顕著な成績をあげた皆さんの活躍も賞に値するものであり,大変嬉しく思っています。
 皆さんにとって,どんな二学期だったでしょうか。成長を実感できた学期となったでしょうか。
 今学期は,何といっても創立70周年記念式典や白浜司祭様による記念ミサ,鈴木壮麻・岩崎廉両氏による記念コンサートをはじめとして,記念祭バザー・文化祭・修学旅行・遠足・追悼式・光の伝達式・クリスマス会・奉仕活動等,多岐に渡る行事が実施されました。多忙な中でも,思いやりを発揮したり,自己を成長させたりする機会が多くあったことと思います。恕し合う心を育てることができたでしょうか。
 私にとって,厳粛な雰囲気の中で荘厳に行われた光の伝達式や静けさの中で五年生の音楽選択者の美しい歌声で始まり,講堂全体に美しいハーモニーが響き渡った全員による見事なハレルヤコーラスで締めくくったクリスマス会は,とても感動的で印象に残る行事でした。コーラスが終わった瞬間,田中副理事長は,「いいですね」と感慨深そうにおっしゃいました。
 本校の伝統ある儀式である光の伝達式では,神秘的な雰囲気の中で6年生から5年生へとローソクの火が受け継がれました。これまで,先輩たちが築き上げてきたWomen for Othersの精神と「愛と奉仕」の心のモデルが伝承された瞬間でした。この日のために来校してくださった上智大学教授の竹内神父さんも,「とても感動的ですばらしい儀式ですね」と感心しておられました。 
 竹内神父さんは,6年生の祈りの式の中で,本校の教育目標である「恕し合う心を育てる」の「恕」という文字を捉え,この言葉を目標にしていることの意味合いを,本校の校訓の一つ「己に誠実」と結び付け,まさに「恕」は,他人に対する誠実さのこと。あるいは,まごころから出る他人への思いやりと考えることができるとても深い言葉で,イエスの語る愛と重なり合うものがあるとお話しくださいました。
 また,これまで,皆さんに何度も紹介してきましたが,コロサイの信徒への手紙 3.12-14には,次のような教えがあります。
「あなたがたは神に選ばれ,聖なる者とされ,愛されているのですから,憐れみの心,慈愛,謙遜,柔和,寛容を身に着けなさい。互いに忍び合い,責めるべきことがあっても,赦し合いなさい。主があなたがたを赦して下さったように,あなたがたも同じようにしなさい。これらすべてに加えて,愛を身に着けなさい。愛は,すべてを完成させるきずなです。」
 来学期は,先程の神父さんのお話やコロサイの教えを含め,もう一度,ひとりひとりが「恕し合う心」の意味合いをしっかり胸に刻み,友達への思いやりに溢れた学校生活を送って欲しいと願っています。
 皆さんの,さらなる心の成長に期待しています。
 
 さて,平成最後となる今年の世相を表す漢字は「災」と発表されました。広島県・岡山県で大きな被害を齎した豪雨や島根・大阪・北海道での地震,さらには,日本を直撃した台風21号,24号による被害や記録的な猛暑と,まさに,自然災害の脅威を痛感した年でした。また,大学入試に係る不正問題やスポーツ界でも悪質な反則行為等に係る問題も大きな話題となりましたが,人間が作り出した災いといえるかも知れません。
 これから,例年より長い17日間の冬休みに入ります。
 先程の鎌田先生の聖書朗読は,「ルカによる福音書」の「羊飼いと天使」の話でした。聖歌「やみに住む民は光を見た」とともに,イエス様のご降誕のお話でしす。イエス御自身の「受けるよりは与える方が幸いである」という言葉や本日の聖書朗読の意味合いに思いを馳せ,25日のクリスマスも過ごしてみてください。
 とはいえ,6年生の皆さんにとって,大学入試センター試験まで,いよいよあと30日となりました。体調を崩さないように十分留意するとともに残された時間を1秒たりとも無駄にすることなく有効に使い,できるだけ弱点を克服してセンター試験に臨んでいきましょう。
 この冬休み中,ドイツへの研修旅行や北京教育交流訪問団の一員として参加する人がいます。現地はとても寒いと思いますが,他国の文化等に触れる貴重な機会です。世界観を大いに広げてきてください。
 また,家族で初詣や旅行等に出かける人もいると思います。皆さん一人ひとり,健康を害することなく元気で思い出に残る冬休みにしましょう。新学期すぐに,実力テストや英語検定等も予定されています。対策もしっかりしておきましょう。1月7日に元気な姿で登校してくれることを祈念しています。新しい年が神様の豊かな恵みと祝福が皆さんの上にありますように。
校長 小野田 文明
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