本文へ移動

園長の日記 その16「女の子は無事に」

2022-11-05
信号待ちで見上げた夕方の空
自然の美しい姿に人間の力を超えたものの存在を感じる時がありませんか
園長の日記 その16「女の子は無事に」

 先日の帰りの電車の中での出来事です。

 福山駅から乗り込んで席を探そうとしていると、2人掛けの席にランドセルとパソコンを広げて小学生の女の子が寝てしまっているのが見えました。その時は「ああ、ここは座れないなあ。」と思っただけで、自分の席を見つけることに集中していました。

 席に座ってほっと一息。電車が動き出しました。次の駅で乗り込んできた女子高生たちがさっきの小学生に話しかけているのが見えました。でも、そのまますぐ後ろの席に座ったので、私は本の続きを読み始めました。さらに、何駅か電車が進んでいっても、女の子が降りていく気配はありません。

「遠いところから通学しているんだな・・」「いや、もしかして、まだ寝ているのでは。」と気になったので、混雑している車内で、席から体を伸ばして様子を見てみました。何とか顔が見える位置でした。やっぱり女の子は眠っているようです。もう本を読んでいる場合ではありません。

 私が3月まで勤めていた小学校でも、電車通学の子はたくさんいて、時折、夕方を過ぎたころに、「駅で待っているけれども降りてこない」という電話が保護者からかかってきて、大探しをする騒ぎが何回かありました。「きっと、これにちがいない。」

「でも、おじさんが声をかけるとまずいかも」などいろいろ考えていると、何といいタイミングで車掌さんが通りかかりました。しかも、女性だったので、思い切って手を挙げて女の子が寝ていることを知らせました。制服姿の車掌さんは、すぐ女の子を起こして事情を聞いてくださったようです。まだ眠そうな顔の女の子といっしょに通路を出ていかれました。

 しばらくして、車掌さんが席までお礼に来てくださいました。福山駅で降りるはずだったようで、無事に連絡がついたとのことでした。子どもがいると気になるのは職業病というべきか、おせっかいが役に立った日でした。

 女の子も無事助けられたし、不審者にもならずに済んだし、神に感謝。

TOPへ戻る