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校長先生のお話

三学期終業式 式辞
2021-03-22
 只今,賞状伝達いたしました。今学期も,多くの人が多方面で活躍してくれた証です。
 今学期の校長賞は,書道部の皆さんに与えました。限られた時間の中で,四季折々の作品,卒業生への感謝,新入生への歓迎等の書を認めてくれました。皆さんも,北館北側の階段,2階から3階に上がる踊り場に掲示されている書道部の作品を見たことがあると思います。私は,書の素晴らしさとともに,書で恕と感謝の心を示してくれたと感じていました。本当によく考えた素晴らしい作品の数々でした。作品をご覧になった保護者の方も,「素晴らしいですね。心がホッとします」と称賛されていました。こうした観点を踏まえての賞です。本当にありがとうございました。
 また,生徒会執行部の皆さんも,従来の活動ができない中,リモート・オンライン等の活用も含め,今何ができるのかと検討し,創意工夫した企画で新たな方向性を示してくれたことは,大いに評価でき賞に値する見事な取り組みでした。ありがとう。

 さて,この1年間は,新型コロナウィルス感染症のために,約1カ月間の臨時休業もあり,記念祭バザー,運動会等の主要行事も中止を余儀なくされました。こうした影響もあり,一学期は,毎週土曜授業,そして,夏季休業期間も短縮しての授業等を行いました。皆さんも,大変だったと思いますが,授業回復は,完全にできました。
 今年度の目標は,「命・恕・感謝の心を育む」でした。
 2011年3月11日14時46分,想定を遥かに超えた未曽有の大震災,戦後最悪の自然災害といわれる東日本大震災から10年,これまで15899名の計り知れない尊い命を奪いました。
 ここで,テレビドラマ「監察医朝顔」の映像の一部を見てもらいますが,場面設定について少し説明しておきます。主人公朝顔の母親が,東日本大震災で行方不明となりました。朝顔の祖父は,娘すなわち朝顔の母親が流されたと思われる場所を懸命に探した結果,1本の歯を見つけ娘のものだと信じて大切に保管し生きる糧にしていました。朝顔は,その鑑定を依頼され調べた結果,他の人のものだと分かりましたが,祖父に母親の歯ではない告げることができず,本来の親族に渡していました。
 (本来の親族が,朝顔と朝顔の父親に歯を一時お預けするといって渡す場面の映像試写)
 今でも,海岸等で生きていた証を探し続ける活動も行われています。このドラマのように,未だ深い爪痕を残しています。私たちは,甚大な被害を受けた被災地の悲しみと命を大切にするという教訓を忘れてはなりません。
 また,本年度は,新型コロナウィルス感染症のために予期せぬ状況でかけがえのない命が多く奪われるとともに,忍耐と艱難を強いられる生活が続きました。こうした時だからこそ,恕の心が大切になってきます。新型コロナウイルスに感染した方や、そのご家族、医療従事者の皆さんへの差別や偏見をなくし、誰もが暮らしやすい地域を目指そうというシトラスリボン運動,その取り組みを知った1年生の皆さんは,1000個のリボンを作成し,医療機関等に贈呈しています。この取り組みは,大きな反響を呼び,地域の方が取りに来られたり,今月27日に開催される,俳優の樹木希林さん最後の主演作である映画「あん」の福山駅前上映会で配布されたり,その上映会へ招待されたりしています。みなさんの思いやりが体現した素晴らしい活動でした。
 そして,感謝。作詞家の安井かずみさんは,「忘れていたものがある ありがとう!である 何と私はありがとうに囲まれていることだろう」と言われています。感謝を表わす言葉の代表が「ありがとう」だと思います。周りを見回してみてください。多くの「ありがとう」が転がっていませんか。
 次年度は,さらに,命を大切にしながら,思いやりとありがとうに溢れている学校にしていきましょう。
 本来,今日は,皆さんに修了証書を渡す日ですが,新型コロナウィルス感染症の影響で,1,3年以外はリモートでの対応とさせていただきました。新型コロナウィルス感染者数は,下げ止まり・緊急事態宣言解除との報道もありますが,県内では変異型ウィルスによる感染者が表れる等予断を許さない状況が続いています。引き続き,三密回避,マスク着用,手洗いの徹底等の感染症対策をしっかりとりながら生活し,新たなる学年となる新年度を元気に迎えましょう。
 5年生の皆さんは,春の特別カリキュラムが始まります。いよいよ自分の夢へ向けての高校生活最終ステージの始まりです。先日,本年度卒業生から日々の勉強法や受験期の心構え,受験校対策等についての体験談を話してもらいました。先輩たちの体験談も参考にしながら,悔いのないように一日一日を大切に過ごしてください。

校長 小野田 文明
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