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校長先生のお話

最初に入れるものは・・・
2010-06-01
  ある学校のホームルームでのお話。担任の先生が、大きなガラスの器、かなり大きな石数個、それより小さな石数個、砂利、そして砂を持って教室に入ってきました。そしてそれらを使って実験を始めました。初めに、大きな岩を器にそっと入れ、次に中くらいの石を、さらに砂利を、最後に砂を入れて、器は一杯に満たされました。
 
 それから先生は、器に入れたものを全部出してから、それを見ていた生徒たちに言いました。「誰かこの器をもう一度一杯にしてみてくれませんか」 一人の生徒が手を挙げて作業を始めました。彼女は、最初に砂を入れ、それから小さな石、さらに砂利と大きな石を入れようとしました。しかし、すべてを入れることができませんでした。 
 
  先生はそれを見て、生徒に言いました。「今の二つの実験を見て気づいたことがありますか」一人の生徒が答えました。「入れる順番が違うと全部入らなくなることです」先生は続けます。「そう、大きなものと小さなものの入れ方をうまく考えないと入りきらないのです。今私たちは、一つの器にいくつかの種類のものを入れる実験をしました。皆さんは大切なことに気づくことができました。 
 
  さて、このことを私たちの生活に当てはめて考えてみましょう。この器を一日(24時間)と考えることができます。その中に入れる石、砂利や砂は、私たちのしなければならないことや楽しみや生活に必要な時間、自由に使える時間などを表しています。そこで大切なことは、この限られた24時間に、何を最初に入れるかということです。実験から分かるように一番大きなものを初めに、次にもう少し小さなものを、そしてさらに小さなものを・・と入れていかないと全部入らなくなります。」 
 
  さらに先生は続けます。「さて、問題となることは次のことです。あなた方の生活の中で、この一番大きな石に当てはまるものは何でしょうか。そしてその次は?・・・・」と。 
 

  人間一人ひとりに平等に与えられている24時間。それをどのように使っていくのかということは一人ひとりによって違うでしょう。しかしそのときに大切なことは、自分の24時間に、価値あるものを最初に入れているのか、それとも、どうでもよいことを最初に入れてしまっているのか・・・ではないでしょうか。それをうまくしていくためには、私にとって価値のある、大切なものと後回しにしてもよいものとを選ぶことが必要です。私の毎日の中で、最優先しなければならないこととはどんなことなのでしょう。それをよく考えてみたいと思います。

校長 朝廣絹子
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