校長先生のお話
微笑み
2009-07-01
先日、ある方を見舞いに病院に行きました。はじめて行った病院なので、場所などがよくわからないでうろうろしていました。その時、入院患者の家族の方だったのでしょうか、中年の女の方が声をかけてくださり、いろいろと説明してくださいました。ほんのわずかな時間だったのですが、その方の笑顔がとても印象的でした。病人訪問に行った私のほうが、何かそのほほえみを通して癒され、力をいただいたように感じたからです。その時、私のよく知っている「微笑み」という詩のことばが心に浮かんできました。そのことばを味わいながら、毎日の生活においても、私もこのような微笑みを湛えていたいなと強く思いました。
微笑み
与えたからといっても、与えた人が乏しくなることはありません。
微笑みは一時のことですが、その記憶は永く残ります。
微笑みを必要としないで生きていけるほどの豊かさはなく、強い人もいません。
また微笑みによって豊かにならないほど貧しい人もいません。
微笑みは家庭では幸せを創り出し、ビジネス社会では善意を育み、友情の印になります。
微笑みは疲れ果てた人に安らぎを、失望した人に励ましを、悲しみにくれる人には光をもたらします。自然で最高のトラブル解毒剤です。
微笑みは買ったり借りたり、盗んだりすることはできません。人に与えなければ何の価値もないのです。
疲れ果てている人は、あなたに微笑みをくれないかもしれません。でも、その時こそ、あなたの微笑みを分けてあげてください。なぜなら、微笑みを与えることのできない人ほど、微笑みを必要としている人はいないからです。
フレデリック・ウイリアム・フェイバー
校長 朝廣絹子