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校長先生のお話

創立記念日に寄せて
2007-10-20
 10月20日は暁の星の創立記念日です。この日は私たちにとって記念すべきことがあった日です。今から61年前の1946年10月20日、バチカン市国の聖ペトロ大聖堂で、暁の星の設立母体である援助マリア修道会の創立者マリ・テレーズ・ド・スビランが、カトリック教会の中で、人々のお手本となる女性として認められ、聖人として公に宣言される式が行われました。この式の日に、暁の星が誕生するのです。 
 
  ちょうどその日、日本で働いていたイエズス会のラサール神父様がその式典に参列しておられました。彼は当時のイエズス会日本管区の責任者でした。焼け野原となった戦後の日本で、若い世代の教育に協力できる宣教師、シスターたちに、日本に来てほしいとその依頼に奔走されていたのでした。彼は列福式の後、援助マリア会の総長を訪ね、日本へ会員を派遣することをお願いなさいました。 
 
  創立者の列福式を機に、何か新しいことを始めたいとの望みを持っていた総長シスター・マリ・エリーズは、この偶然の一致を「神からの呼びかけ」と読み取り、直ちに日本へシスターを送ることを決定したのです。 
 
 翌1947年12月、暁の星の礎となる4人のシスターが福山に到着しました。言葉、文化や生活様式なども全く違う日本、靴のまま座敷に上がってしまうこともありました。その上、戦後間もない時で日常生活にも事欠く生活が待っていました。そのようなシスターたちは、文字通り貧しくて何も持っていなかった、神様への信頼だけが力だったのです。何もないところから学校を始めるという仕事には、さまざまな困難や苦しみがあったことは想像できるでしょう。 
 
  マリ・イレーヌは、1949年4月、福山暁の星女子中学校開校を前に、「すべてを神にお任せいたしましょう。」と日記に書いています。シスターたちの生き方は、会の創立者マリ・テレーズの「神に深い信頼を置く生き方」そのものでありました。暁の星の今までの歩みは、この信頼の上にあるのです。校訓にある「神に信頼」は、暁の星で学んでいる私たち一人ひとりへのマリ・テレーズからの招きであり、私たちもその心を受け継ぎ、歩み続けたいと思います。

校長 朝廣絹子
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