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校長先生のお話

一学期終業式
2018-07-19
 この度の記録的な豪雨は,広島県・岡山県に大きな傷跡を残しました。全国で命を奪われた方が177名,行方不明12名,その内,広島県での死者112名,行方不明9名,岡山県での死者61名,行方不明3名ですので,この二県での被害が甚大であったことを物語っています。本校の斜面も崩落しました。村田先生のおばあさまは,三原市で被災され,尊い命をなくされました。かけがえのない命を奪われた方への哀悼の意を表するとともに被災された皆様に思いを馳せ,一分間のお祈りを捧げましょう。   (黙祷)
 本校においても,床上浸水や床下浸水・車の水没等の被害にあわれた先生方もおられます。また,今なお断水や交通機関の運休等で私たちの生活に大きな支障を来しています。自然の猛威の前に人間の無力さを痛感せざるを得ない二週間でした。このように終業式を迎えられない学校も,県内にはまだ多くあります。このように学び舎でこの日を迎えられたこと,神様・マリア様に感謝いたします。
 さて,先程,一学期の校長賞として「高校陸上競技部」の皆さんを表彰しました。わずか14名の部員で福山地区総合2位,県総合7位と県内強豪校に引けを取らない活躍ぶりでした。個人としても,県大会では福山地区大会で勝てなかった選手を上回る成績を挙げたり,暁の星記録や自己ベスト記録を打ち立てたりした人も多くいました。まさに,日頃の練習の成果を大舞台で如何なく発揮するとともに,部員同士の共感する力や個々のやり抜く力と学び続ける力を示してくれた証であると捉えています。
 今学期は,市内の公立小・中学校の児童生徒が,本校を訪れてくれました。落ち着いた雰囲気で授業に集中している皆さんの姿等に感心し「自分たちの学校と違って落ち着いて静かに授業を受けている」「設備が充実している」「どこへ行ってもきれいだった」と感想を述べてくれました。まさに,「学び舎として最適環境ここにあり」と益々強く感じた瞬間でした。
 私は,今学期,運動会・聖母月の奉献の祈り・中学合唱コンクール・オープンスクール等の学校行事や生徒会活動・部活動などで生き生きとした皆さんの姿や真摯に取り組んでいる姿勢に数多く触れ元気を頂いてきました。しかしながら,一方で,クラスメートから受けた行為で悲しい思いや寂しい思いをした生徒の姿もあり心を痛めました。
 県内には,学びたくても学べない状況に追いやられている生徒も多くいます。私たちは,今,改めて,環境に恵まれ,自分の力をしっかり伸ばせる「学び舎」,成長を実感できる「学び舎」があることに深く感謝しながら学校生活を送るとともに,思いやりと感謝の気持ちに溢れ,皆さんが笑顔で過ごせる学校にしていかなければなりません。皆さんにとってこの一学期はどんな日々だったでしょうか。振り返ってみて,自分の成長が感じられますか。学級や部活動の仲間を傷つけるような言動や自分勝手な行動をしていませんでしたか。命をないがしろにするような言葉を発していませんでしたか。「相手のことを自分のごとく思う心」や「思いやり」を充分に発揮して,「恕し合う心を育てる」ことができましたか。しっかり振り返り,改めるべきところは改め,二学期に生かしていって下さい。
 皆さんは,これから,43日間の長い夏休みに入ります。とりわけ,6年生にとって最後の夏休みでもあり,受験に向けて最重要ポイントとなる夏休みです。したがって,1期から4期に渡って補習が組まれています。まさに,受験に向けて,自分自身の夢の実現に向けて,時間を大切にしながら取り組んでください。
 また,この夏休み中,多くの皆さんが部活動や校外活動に参加する予定です。2年生の三瓶での林間学校,国連平和大使としてジュネーブを訪問する5年の開原弓喜さん,高校生議会に向けての活動に参加する5年の前田あゆみさんと渡部楽(エデン)さん,さらには,各種のボランティア活動やフィリピンセブ島での英語研修に参加する人等もいます。自分で様々なことに挑戦したり,取り組んだりする計画を立てている人もいることでしょう。部活動においても,中国大会に出場する3年宮地麿歩さん(陸上競技)・4年高田蒼衣さん,福山琴まつり(琴部),全国高等学校ギターマンドリン音楽コンクール,Nコン・県合唱コンクール(コーロステルラ),尾道を描く写生大会(美術部)等に出場参加します。皆さんが日頃の練習の成果を如何なく発揮して競技,演奏,作品制作等をしてきてくれるものと信じています。
 また,自分で様々なことに挑戦したり,取り組んだりする人もいることでしょう。それぞれの活動が,Empathy(共感する力), Grit(やり抜く力), Growth(学び続ける力)の三つの力を伸ばす絶好の機会になるものと信じています。とりわけ,Gritを高めるためには,情熱と粘り強さが大切です。情熱を持って,粘り強く挑戦してきてください。自分自身を磨き一回り大きく成長する夏休みにしていきましょう。
 
 今年の七月は,冒頭述べたような甚大な被害に見舞われ,悲惨なニュースが連日報道されていますが,カトリック学校である本校にとって,今月,大浦天主堂など潜伏の歴史を物語る12か所の「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界文化遺産登録に決まったことは,とても喜ばしい話題でした。250年もの長い迫害や弾圧を乗り越え,天草諸島等に住む人々が大切に守り続けた貴重な文化遺産が後世に受け継がれることを強く願いたいものです。
 
 記録的な豪雨の後,猛暑が続いています。この一週間で9956人の方が熱中症のため救急搬送され,12名の方が亡くなられています。室外はもちろんのこと室内で過ごす際も,適切な水分補給等の対策を取りながら,暑い夏を乗り切ってください。
 「時間は命そのものです。皆さんにとって,今年が納得した時間の積み重ねになりますように。」
 9月1日,全員が元気な姿で,そして笑顔で登校してくれることを祈念しています。
校長 小野田 文明
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